2012年 03月 12日
3.11に想うー日本のこころー
死者1万5854人、行方不明者3155人の方々の心よりご冥福をお祈り申し上げます。
また、東北の方々に日本中の方々が寄り添い、心身ともに支援でき、
日本中で笑顔になれる未来ある日本が訪れますことを願ってやみません。
昨日、NHKテレビ「こころの時代」で、復興構想会議で名誉議長を務められた哲学者・
梅原猛氏が3、11を機に「新たな哲学」に着手したお話を興味深く伺いました。
今回の震災を「文明災」と言い切りました。
人間が自然を支配する西洋哲学が限界を示したのが今回の原発災害に象徴されるとし、
代わって1万年も続いた縄文時代に培われた自然観〜人間も自然の一部〜とする
日本文化の基底に立ち戻らねばならない。
デカルト以来続いてきた人間中心の文明を、「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」という日本古来の自然観に基づいた新たな文明を築いていかない限り、人類の存続はないと話されていました。
縄文の自然観を継承するアイヌ文化や自然と人間を同じ価値で眺めた宮沢賢治の詩
「いちょうの実」を例に出されて、説得力のあるお話でした。
人類が地球に登場して長らくは狩猟採集で生活の糧を得てきました。
その経験から身につけた自然観は人類共通の考えでした。
その思想は東洋に生き残りましたが、西洋では自然は克服すべき対象として捉え、科学が発展しました。
梅原先生はその西洋思想では行き詰まりがきて人類の存続は危うくなると、
自然との共生の大切さを強調されていました。
四方海に囲まれた森の国・日本は多くの自然の恵みをもたらされるだけではなく、
時として想像もつかない災いが襲います。それも自然と捉えるには、今回はあまりに犠牲が大き過ぎますが、悲惨な試練から私が学んだのは、牙を向くときもある自然とも向かい合あわなければいけない現実です。
「草木国土悉皆成仏」の考えは私たちの精神のDNAに存在しています。
それを改めて再認識し、自然と共生してきた日本のこころを自分なりに捉えていきたいと念じます。
合掌
2012年3月11日
丸山洋子
by yokomaruyama
| 2012-03-12 12:29
| 日々のこと