2013年 05月 10日
空間装飾の仕事 ― 宇奈月温泉旅館「延楽」食事処のしつらえ ―
ホテルや旅館などに対して、単にテーブル上のコーディネートだけでなく空間全体を装飾し、その空間の演出力をより創出し、心地よい空気感を醸し出す仕事です。
パーティーの空間装飾と似ています。
富山黒部峡谷の麓にある老舗旅館「延楽」の食事処のリニュアルに際し、しつらえと食卓演出を依頼されました。食事処でお客様をお迎えする、「一畳結界・十二ヵ月のしつらえ」を
正面に設置し、お客様が食事処の入口に立たれた瞬間、ワクワクし“今日の食事は愉しそう“と期待感で溢れる空間を創出できればと考えました。
一畳結界の中には丸山がデザインしましたネストテーブルや入子膳に「菖蒲の節供」の
しつらえを。伝統を守りながらも現代に置き換え、結界という和文化を取り込んでのしつらえはイメージ通りに仕上がり、訪れる方々に季節を愉しみ、季節を味わっていただけるプロローグとしての顔になっていって欲しいと願っています。
これから十二ヵ月のしつらえが展開されていきます。
黒部峡谷に抱かれた延楽の食事処


「菖蒲の節供」のしつらえ
菖蒲の飾り玉を中央に吊るし、邪気を払うとされる柏餅や粽のしつらえ

黒切溜十段に手鞠でアクセントを出して

宇奈月温泉「延楽」
富山県随一の温泉地である宇奈月温泉の黒部川の河岸段丘の崖上に建つ老舗旅館「延楽」。全ての部屋やお風呂からは黒部峡谷の絶景を眺めることが出来、眼下に広がる四季折々の美しい景色と峡谷の清流の響きを感じながらゆったりと寛ぐことのできる名旅館です。
延楽 ホームページ
http://www.enraku.com/
食空間プロデューサー 丸山洋子
by yokomaruyama
| 2013-05-10 09:05